やってくれないこともない

結城永人


貴方がたには申し訳ないけれど
閾では血は流れなかった
生死の間ならば尚のこと
保てないのが人間性だった

人間性ではしかしながら
死児と誤解されるのではないか
ならば言葉といおう
貴方がたには申し訳ないけれど

鐘の音を奏でる
つもりもないわけではないまま

貴方がたには申し訳ないけれど
鐘の音を奏でる

神の魂を奉り敬うためか

もしやずっと
貴方がたには申し訳ないけれど
何も変わりやしなかった
なんて嘆かせるわけには
行かないのも実際だ

貴方がたには申し訳ないけれど
森で暮らすボノボしかいない
目と鼻の先でもはや

鐘の音を奏でる
呼びかけている
感じかけている

磁石では計り兼ねたんだ