感懐

結城永人


勢いの余り
夕暮れに沈むマトリョーシカ
ロシアの児童をあしらった民芸品だよ

大自然の脅威を堪え忍んで
可愛いとは他でもなく
静けさに聞き入りながら
振る舞えば温情かも
染み渡らずにはいなかった

疲れて眠るな
瞼を塞いだ夢の中で
事実が蘇るほどに
人生も厳しい
気力も乏しい
体力も

伸びて来た猫じゃらしを
最近になって
気付いたんだが
口を滑らせないようにして
握ってみたわけなんだ

どうしてか
言葉の言葉へ赴くと
外面性が落ちているらしい

八月の中旬の
風も爽やかに吹き過ぎる頃になんてね

小さな恵みを貰った
美しい風情のある様子へ
引き寄せられ