ちょろり

結城永人


蟻を避ける
幸せ過ぎたのだろうか
アルペジオはしかし
側頭部にも落ちて
来ない

幼い頃は嫌だった
虫一匹も殺すのが

況んや
感動するところだ
自分で自分にいい聞かせて
刺々しい画鋲よりは
怖れるに足りない
蟻を踏むな

幼い頃の謎なんだ
可哀相と覚るまま

僕を捻り潰すつもりか
君は考え抜くかぎりだ
神が掻き抱くみたいで

死んでも
生き返ると
リアルに
良いものを
匂わせた