レモンの触覚

結城永人


掌に舞うように降って来た雪が宇宙を今遮る
天使と花の平和へ突進する言葉は確かに幸せだった
数多の祈りを伴う大合唱も自然に包まれながら

僕は瞑想に耽る
通り抜けることのできた絶体を
社会も既に腹の底で
俄かな燻りを続けてなどいない

風に乗って流れる円の
角度によれば球やも分からない
軽やかな集合は
恰も石鹸玉か何かの如くだ
水泡にもとても近く
どんな模様かと想像力を滾らせてみると
ボウルに掻き混ぜられた出来立たのメレンゲの他に
色取り取りのビーズや
丸みを帯びて膨らんだ風船も
運ばれるほどの
心持ちがしてしまう

生きる
時間を忘れて
ということはおよそ
惜しげもない愛情の為せるわざではなかったか
引いた顎の先で
メルカトル図法の地図を突いた
差し入れるな
宝探しよりも考えが向かされて罵りもせず

戯けめ
君に夢中だ
日が暮れてはとぼとぼ歩いたものを
すばらしい縁だったと
笑い返したい

跳ねて跳ねて
跳ね跳び回り捲る
足裁きも消えかかるので
打ち切りにした
現実へ熱く触れる
涙が光った