ヒップホップ・ベース

結城永人


古の香がした
ナウマンゾウの雄叫びだ
大きな足音を響かせて
どこへ向かうつもりか
ウンコは笑って
帰りを待つ
鋸鮫だけは黙って
泳ぎをただ続ける
人間は石斧を振り翳し
世の中を振り回しながら
裏切りを戒めた
左肩からオットセイか何かの
毛皮一枚をぶら下げて
ウンコは笑って
帰りを待つ
地球に蹴り放たれた黒大蟻も
急転直下
長ったらしい行列を作り
必死で餌を運んでいた
干からびた蚯蚓だ
ウンコは笑って
帰りを待つ

笑ってやしなかった
帰りへも
三連目ばかりは
悪への憎みに固めた身で
火中へ飛び込み
燃え上がるのだった
そのとき
滑茸は叫ばずにはいられず
今ジュッとした
焦げ付く思いだった
口々に溢す
天使が遣って来る
錻の玩具を置くと瞬く間に
ワープ
転がる栄螺は強か打つかり
箆鹿は不覚と踏み付け
三億五千年万年を経るや
沢蟹が住処にしていた
ウンコは笑って
帰りを待つ
鬼だ
生まれ出たのは
時空の裂け目だった
ドラゴンと取っ組み合いで
生命の守り神として
君臨するために
無限大へと突入して行く
ウンコは笑って
帰りを待つ
怒らなくて良い
シーラカンスの鱗が宥める
独り言か
流星が空気を貫通した
劇的だった
隣にいた蟻地獄は
ぷにょぷにょ
眠りを妨げられもせずに
檜も涼しげで
何事も起きなかったらしく
胡椒の他には
虱しか知らなかった
ゴーヤが
驚きたがりが詰め寄る
鸚鵡も嘴で突き返し
話の種は食べられてしまう
集落は震えていた
アデリーペンギンの
野苺しか
恥ずかしがらない
ところで