デッド・アップ

結城永人


シャム猫の肉球に親指の指紋を合わす
十二畳の風爽やかなリビング・ルームで
辺りは赤と黄の絶妙に溶け合った明るさか
まるでグリュイエル・チーズのような

柿の木の影が如何にも心地良く揺らめいて
屋根では尾長が毛繕いを繰り返すばかり

夏から秋へと季節は音を上げもしない
雨続きだった天候も暫く振りに青空を
覗かせていて過ごし易いよりもなかった
感じられないくらい川の水嵩も下がり

土手を軽く小走りに跳び越えた舗装路だ
大手を振って歩いて行きはしたものの
霞んだ高架橋には心及ばずに至り着かない