夜夜中

結城永人


想い出の栗の木は光を受けて明るかった
陽射しを浴びた葉っぱは
緑も濃厚な輝きを放っていた

巡り来る季節の中で
只今は実を落とさずに生えている
湿っぽい風に吹き寄せられて
空高く垂れ下がる星たちの

月の思慮深い立ち振舞いによって
物狂おしいほどの侘しい心が……

山並みで鳴いていた郭公は失した
姿を晦ませてしまった
呼び付けることのできないところへ
頭を捻っても又捻り出しても

冷蔵庫には抉られた標本があるだろう
取り除くつもりだったとは硝子玉だ